IAAD EURO-JAPON 概要
IAAD Euro-Japonの由来
IAAD Euro-Japonは、2003年フランスの芸術的文化協会「MANIFEST Euro-Japon」として誕生した。
MANIFESTとは、1994年に東京の中心地である「青山」の街全体を使ったアートのフェスティバルとして誕生した、画期的な芸術発表のシステムであった。その評価はNHKのTVニュースを通じて全国的に紹介されたことでよく知られている。また、このコンセプトはその後1996年からドイツで始まったアートイベント「MANIFEST」に先駆けて行われたことは特筆してよいだろう。フリーランスのキュレターとして活動してきた高藤芳丞のコンセプトにより、日本で誕生したこのMANIFESTは、それを様々な場所で展開するためにほぼ2年ごとにイベントを行ってきた。
そのMANIFESTとフランスとの出会いは、1998年の”Fete de L’internet”であった。インターネット上の表現の場を獲得することと、その可能性を、日仏のアーティストの参加により試みたものである。その後、フランスにおいて日本のアーティストを紹介するイベントや、欧州アーティストの日本での展覧会を企画してきた。それらの活動をより拡大するために文化協会としてフランスで登録することになったのである。
MANIFESTの芸術に対する領域は、ある種の人々にとっては無節操とも言えるほどそのジャンルにこだわることはなく、音楽から建築までを含む著述活動、展覧会、各種のイベント参加と幅広く展開してきた。そのような活動で出会ったパリを代表するアーティストである松谷武判氏のご紹介から、建築家ネットワークと出会うことになったのである。この出会いは、ある意味MANIFESTにとっても必然であったと思われる。何故なら、建築がテクノロジーとして評価され芸術として捉えられることの少ない日本と、建築を優れた芸術として捉えるヨーロッパとの双方の意識的交流がどちらにとっても必要な状態に差し掛かっていたからである。それがどういう状態であったかについては今後の本誌の重要なテーマとして触れることになるだろうからここでは述べるつもりはない。いずれにせよ建築の再発見によってMANIFEST Euro-JaponはASI Euro-Japon として再編され、新たな明確な輪郭を持つ文化協会となり、その活動も長期的な視点に立って継続的なプログラムを企画実施できるようになった。
パリに事務局を置く私たちIAAD Euro-Japonは、フランス政府公認のアソシエーションとして、高藤芳丞を代表とし、複数名の研修者の協力を受けなが らこの文化協会の運営に当たっている。協会運営の費用は、法人会員、個人会員らの文化的基金によって賄われ、経済的事業を一切行わない純然たる文化事業協会として、日欧の建築と芸術の文化交流に関わる諸事業、建築・ 芸術の専門的な研究、AADD誌の発行、欧州の建築家、建築機関、芸術家、芸術団体などとのネットワークを形成している。
IAAD Euro-Japon概要
文化事業体としての仏政府公認番号:
SIREN:480 777 085
SIRET:480 777 085 00014
住所:10, rue Barbette 75003 Paris FRANCE
mail:iaad@euro-japon.org
HP:http://iaad.euro-japon.org/
IAAD Euro-Japonの活動主旨
建築・芸術文化の普及が、世界平和と世界文化の質の向上をもたらし、人類全体に貢献するという立場に立ち、その普及に役立つ文化事業を行う。その文化事業とは、新しい芸術・建築の試みを公表し、具体的な普及(=産業化)へのストーリーを模索するこ
とである。
IAAD Euro-Japonの変遷
1994年:東京で開催された、新しいコンセプトによるアートフェスティバルMANIFEST’94をきっかけに誕生。その変遷は、MANIFEST Euro-Japonとして1998年までは主に日本での活動
1996年:富士山麓のテクノフェスティバルRainbow2000にてMANIFEST+を併催
1998年:Digital Manifestをネット上で開催。フランス主催の「Fete de l‘Internet」参加により、日仏、日欧の文化交流活動を展開する
2000年:日本(西宮甲子園浜)フランス(パリ)でManifest同時開催
2001年:イタリア人アーティストFabrizio Corneliの展覧会「夢見る影」を東京都写真美術館にて企画キュレーションする
2001年:日本人アーティストグループDevil Robotsの展覧会をパリ市3箇所で開催
2003年:西宮市甲子園浜にてアートイベントMANIFEST2003環境と文化の力開催
2004年:フランスのアソシアシオンとして登録
2005年:京都造形芸術大学でのパネルディスカッション「近代産業遺産の芸術的活用について」を同大学と共催
2006年:日本企業である(株)Architects Studio Japanの助成基金により運営。これを機に名称を「ASI Euro-Japon」と改名、建築への取り組みを拡大し現在に至る
2008年:IAAD EURO-JAPON へ名称を変更
IAAD Euro-Japonの主な活動
日本とヨーロッパの文化交流事業を活動の基本とする。その内容は、現代美術、建築、音楽という芸術表現全般に亘る。それら芸術活動の普及のための研究、情報提供、企画立案、実施を通して日欧の文化交流を行う。そのための活動内容は下記の通り。
・展覧会企画、主催
・文化イベントなどの情報提供
・芸術家のための金銭提供を伴わないサポート
・小冊子発行による日欧相互の芸術活動批評、報告と研究発表
・日欧の芸術家のための事務所機能開放
・芸術活動の事業化を求める企業、団体への芸術家・芸術活動の無償紹介
・映像、印刷物(雑誌)などの制作&発表により、日欧の建築文化を相互に紹介する
・インターネット(ホームページ)による日欧建築文化の情報公開
・日欧大学、研究機関との交流と研修留学などのサポート
IAAD Euro-Japonの基盤
IAAD Euro-Japonは、文化事業団体として活動する。そのため、自らの活動を保証する経済活動は行わない。IAAD Euro-Japonの運営に必要な費用は、日本の建築家ネットワーク企業「Architects Studio Japan」による『文化基金』によって賄われている。
IAAD Euro-Japonのメンバー
高藤芳丞
キュレター、著述家。1980年代から積極的に日欧文化交流に関する事業、キュレーション、執筆活動を行う。
1994年に、MANIFETという芸術展開の新しい概念を発表・実施。ドイツで1996年から開催されているMANIFESTに影響を与える。2001年にイタリアのインスタレーション作家「ファブリツィオ・コルネーリ」の展覧会を東京都写真美術館で開催し注目される。
著作に「匂い遊びの博物誌」(現代出版刊)、Recepter
(青林堂刊)など
ASI Euro-JaponのEuro代表